デジタルカメラ ピント合わせのコツ 被写界深度と操作

自分のサイトにきれいな小物を載せたい。ブログで今日食べたおいしい料理を載せたい。なんて時に困るのが、ピント合わせの難しさ。今回はマクロ撮影において、ピント合わせの方法を載せてみたいと思います。

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ピント合わせのコツ 被写界深度と操作

 
 

デジタルカメラの失敗で、意外に多いのがピント合わせ。
記念写真やスナップ写真のように被写体が、数メートル以上離れていれば、あまり失敗はありませんが、最近ではオークションに、あるいはブログに、商品や食べ物を撮影して載せる機会が多くなった人も多いようですが、意外に難しかったりします。

コンパクトデジタルカメラは被写界深度が深い?

被写界深度が深いとは

コンパクトデジタルカメラの場合、被写界深度が深い基本的に一眼レフカメラと違って、コンパクトデジタルカメラと呼ばれるものは、撮像素子が小さいため、ピントが多少あっていなくてもシャープに写すことが出来ます。
この事を被写界深度が深いといいます。
左の画像を見てください。手前のさくらの枝から、奥のさくらの枝までどちらもピントが合っていると思います。

被写界深度が浅いとは

手前にピントが合っている逆に一眼レフカメラや、絞りを小さくして撮影するとピントが合う範囲が狭く(小さく)なります。
この事を被写界深度が浅いといいます。

撮像素子の大きさとピント合わせ

デジタルカメラのレンズから入ってきた光を取り込む部分のセンサーのことを「撮像素子」といいますが、コンパクトデジタルカメラの撮像素子は、デジタル一眼レフカメラの面積比にして1/16程しかありません。
つまり、それだけ一眼レフカメラの方が高画質になるわけですが、それ以外にも今書いたように被写界深度の深さに影響していきます。
簡単に言ってしまえば、コンパクトデジタルカメラは被写界深度が深いので、それほどピント合わせに神経質にならなくても失敗無く撮影できるし、逆に一眼レフカメラは、被写体のみシャープに写して背景をきれいにぼかすことが出来るわけです。

ピント合わせのコツ

ところが、オークションに出品するための商品の写真や、今晩の夕食をブログで紹介するためにパシャリと撮った写真は、意外とピントがうまく合っていなかったり・・・。

コンパクトデジタルカメラとマクロ撮影

これはマクロになればなるほど、ピント合わせがシビアになってくるためで、いくらコンパクトデジタルカメラの被写界深度が深いといってもマクロ撮影になってくると、ピントがうまく合っていないとシャープに写らないためです。
マクロ撮影とは、接写ともいい、1m以下のように被写体に近づいて撮影する撮影方法で、実をいうとこのマクロ撮影は圧倒的にコンパクトデジタルカメラの方が強いです。
なにしろ、私の持っているコンパクトデジタルカメラのNikon coolpix 885は、最短被写体距離(どこまで被写体に近寄れるか。最短撮影距離ともいう)が4cm

ちなみに私の持っている一眼レフ用レンズ、SIGMA ZOOM 18-50mm F3.5-5.6 DCは、最短被写体距離が25cmです。
一眼レフカメラ用のレンズで4cm程まで近寄れるレンズとなると、レンズ単体で実現する・・・となると無理だと思います。
Nikonの一眼レフカメラ用全自動レンズで最も最短距離まで近寄れるものとなると・・・、AFニッコールED 14mmF2.8Dが20cmまで近寄ることが出来るようですね。
ただし、14mmってことはかなり広角なレンズですね。

さて、いくらコンパクトデジタルカメラがマクロ撮影に強いとはいえ、数センチ単位のような接写を行うと、なかなかピント合わせがうまくいってくれません。

マクロ撮影時はマニュアル操作

coolpix885のFOCUS AFエリア選択私の場合、マクロ撮影に関しては、ピント合わせ(フォーカス)はマニュアル(手動)方式にしています。
えっと、正確に言うと、ピント合わせをマニュアルにするのではなくて、ピントをどこにあわせるかという操作をマニュアル(手動)にする設定です。
これを「AFエリア選択」といいます。
左の画像は、Nikon Coolpix885でのAFエリア選択をマニュアルにする設定の様子です。
右側の四角で囲まれた部分が十字キーですね。これで操作します。

マニュアルでピントを合わせる左の画像は、液晶に映った映像をイメージ化したものです。
こんな感じで、ピントを合わせたい部分を先ほどの十字キーで選びます。
画像左のブタの蚊取り線香台にピントを合わせています。
※ クリックすると拡大表示します

マニュアルでピントを合わせる左の画像は、マニュアル操作をわかりやすくイメージさせたものです。
このように、ピントを合わせたい部分を選択した状態で、シャッターを半押し状態にすると、今設定した部分に写る被写体にピントをカメラの方で合わせようとします。
今回でいうと、ブタの蚊取り線香台ですね。

うまくあったらあとはシャッターを切ります。
ただし、こうしたマニュアル設定にしても、ピント自体がなかなかあってくれなかったり・・・。
一眼レフカメラは、やはり高価なだけ合って、このピント合わせがコンパクトデジタルカメラに比べて優秀です。
しかも非常に素早いです。
一眼レフの場合は、たいてい構えてから1~2秒で目的のピントに合わせてくれます。
一眼レフカメラのピント合わせについては、こちらの「一眼レフカメラ ピント合わせ」を参考にしてください。

半歩進んだピント合わせ

さて、AFエリア選択をマニュアルにしても、なかなかうまくピントが合わない時があります。
今度はうまくピントを合わせる方法についてみていきます。

デジタルカメラのピント合わせが苦手なパターン

均一な面や色の差がないような部分のピント合わせは苦手左の画像のピンクの四角で囲まれた部分のように、平面の一部や、色の差があまり無いような部分のピント合わせは、デジタルカメラのピント合わせ機能は弱いようです。
こうした場所にピント合わせをしようとすると、いつまでたってもうまく合わせてくれないでしょう。
これはデジタル一眼レフカメラでも同じ事がいえます。

ピント合わせが得意なパターン

物質の境界や色の差が激しいような部分のピント合わせは容易左の画像の、緑の四角で囲ったような物質の端や境界、色の差が激しいような部分は逆にすぐにピントがあってくれます。

ピント合わせ

そこで、ピントを合わせたい部分が、前者のようにピンクの四角で囲まれたような部分の場合、後者の緑の四角で囲まれていた部分のどれか一番カメラからの距離が同じだと思われる部分にまずはピントを合わせます。
シャッターの半押しですね。

で、ピントがあったらそのままシャッターを半押し状態でピントを固定したまま、目的の部分の距離と今ピントがあった部分の距離の差だけカメラをずらしてシャッターを切ります。
ちょっとこの部分に関しては、感覚がものをいってくるので慣れが多少必要かもしれませんが、デジカメの最も優れた点は、失敗しても何度でも(電池がある限り)やり直しがきくことです。

  1. とりあえず、どこかにピントが合いやすい部分を見つけてピントを合わす。
  2. 次に、そのピントがあった部分と、本来ピントを合わせたい部分の距離を頭の中で計算。
  3. 計算して出た結果分だけカメラを被写体に近づける(あるいは遠ざける)

この手順になれてしまえば、マクロ撮影でも上手にピントを合わせることが出来ます。

高度なピント合わせ

もし、それでもピント合わせがうまく合わない。とか、ピントが合う部分を広範囲にしたい。というのであれば、絞り(F値)を大きくする方法があります。
シャッターの開きを狭くするわけですね。

絞りF1.8で撮影した場合

絞りをF1.8で撮影した場合左の画像は、Nikon D70にNikon AF 50mm F1.8を取りつけて撮影したもので、絞りはF1.8で撮影しました。
中心のしいたけの傘の部分にピントが合っているものの、その他の部分はぼやけているのがわかります。

絞りF8.0で撮影した場合

絞りをF8.0で撮影した場合今度は同じレンズで絞りをF8.0にして撮影したものです。
今度は他のキノコにもピントが合いました。
ただし、絞りを暗く(F値を大きく)すると、それだけ暗い写真になります。
F1.8で撮影した方は、シャッター速度が1/60秒に対して、F8.0の方は、1/15秒というスローシャッターです。

絞りでピント合わせを調節

このように、ピント合わせが難しい場合や、広範囲にわたってピント合わせをしたい場合は、絞りによって調節すると良いでしょう。
最近のコンパクトデジタルカメラでも、絞り値(F値)を調節することが出来るので、説明書で確認してみてください。