デジタルカメラ 料理をうまく撮るには 露出・照明

料理をおいしく写すコツ、今回は最も大事な照明、露出について私が撮影時気をつけていることを書いてみます。

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料理をうまく撮るには 露出・照明

 
 

コンパクトデジタルカメラや携帯に付属したデジタルカメラの普及によって最も撮影されて、なおかつネットで公開されているのが「料理」の写真じゃないでしょうか。
主婦であれば、自分で作った自慢の料理。
サラリーマンであれば、昼食や夕食で食べた口コミのお店の料理とか。
ラーメン好きならラーメン食べ歩き紀行・・・みたいな。

が、なかなか見た目と撮影後の写真では開きがあることもしばしば。
このページでは、料理をおいしく写すコツを紹介したいと思います。

男料理

私は一人暮らしの時も簡単な料理をしていたので、今でもたまに簡単な料理や、お菓子などを作ったりすることがあります。
なので、今回は私が作った料理の写真を元に説明します。

最も重要なのは露出

なんといっても、料理に限らず撮影の基本中の基本は、適正な露出が出来たかどうかで写真の出来、不出来が決まります。
これはもう基本中の基本。
どんなプロが撮影しようとも、高価なカメラを使おうとも、露出が適正でなければ絶対にうまく写りません。

露出が足りない状態で撮影した料理

露出が足りない状態で撮影したスパゲティ左の画像を見てください。
夜食というわけではありません(笑。
普通に晴れた午後、たまたま作ったカルボナーラの写真です。
うまくできたかどうかは別にして、どう見てもおいしそうには見えませんよね。
暗いし、発色も悪い。
実際には熱々の状態で撮影したにもかかわらず、冷めたスパゲティのようです。

ソフトで加工しても・・・ソフトで加工するとどうでしょうか。
実は、どんな高価な画像加工ソフトを使っても、元の写真が悪いとどうにもなりません。
左の画像は、画像加工ソフトで、明度を明るくし、コントラストも上げてみました。
さらに彩度も大幅に上げたのですが、この状態です。
おいしそうには見えませんよね・・・。

露出が足りない状態で撮影したドーナッツ左の画像は、やはり別の日ですが晴れた午後に作ったドーナツを撮影したものです。
暗くて夜食に出てきたおやつのようですよね。(笑
とてもおいしそうには見えません。まぁ、実際おいしくはなかったですけれど・・・(爆。

ソフトで加工後ソフトで加工してみました。
こちらは思った以上にずっとおいしそうに変わりましたね。
画像が暗いものでも、ソフトでこのようにおいしそうに出来ることもありますが、こうした例は希なものと思ってください。
滅多にこんな具合にはいきません。

露出が適正だった例

露出が充分だったスパゲティ左も同じように晴れた午後に作ったカルボナーラですが、上のカルボナーラと比べてみてください。
全然雰囲気が違いますよね。
同じ部屋、同じ作り方、同じ材料、同じ明るさの条件で撮影したにもかかわらず、カメラの露出を適正にしたおかげでこんなにも違ってきました。

露出が適正な状態で撮影したクッキー左の画像は、やはり私が作ったクッキーです。
今までの写真と同じ部屋、同じ条件でしたが、カメラの露出を適正にしたため、上のドーナッツと比べてきちんと晴れた午後のおやつというイメージに撮影できました。

露出を適正にするとは?

シャッタースピード

料理というものはたいてい撮影条件としては、室内になると思います。
それも台所や、レストランといった暗い室内という条件になります。
つまり撮影条件としては最悪の状態になることが多いのが料理の撮影なんですね。

では、そうした悪条件でどうやって露出を適正にするか。
たいていのデジタルカメラでは、シャッタースピードをマニュアルで選ぶことが出来ます。
撮影時の部屋の明るさにもよりますが、シャッタースピードを1/60~1/30ぐらいまで落としてください。

このぐらいのシャッタースピードまで落とすと必ず手ぶれを起こします。
なので、料理を撮影する時は三脚は必須です。もし三脚がない場合は、何かカメラを固定できる台(雑誌でも箱でもなんでもいいです)の上にカメラを載せて撮影します。

ISOを高くする

ISOとはフイルムの感度になりますが、デジタルカメラでも同じようにISOで感度を選ぶことが出来ます。
機種によって違いますが、私の持っているD70はISO1600まで上げることが出来、最小はISO200です。
このISOをあげればあげるほど、同じシャッタースピードでも明るく写ります。
が、逆に画質が劣化します。だいたいISO800ぐらいあたりであきらかにノイズや画像の荒れが気になり出します。
なので、私の場合はよっぽどの理由がない限り、ISOは200程度にしています。
上げてもせいぜい400ぐらいですね。

絞りを開く

コンパクトデジタルカメラでも、マニュアル設定で絞りを開くことが出来ます。
絞りとは「F値」と呼ばれる値です。
このF値を低くすれば低くするほど、絞りが大きく開くことを意味しています。

人間でいう瞳、瞳孔ですね。
この絞りが開けば開くほど、レンズから入ってくる明かりが増えるので同じシャッター速度でも明るく写ります。
ただし、コンパクトデジタルカメラなどでは、せいぜいF2.8ぐらいからなので、あまり期待できませんがそれでもマニュアルで選べるのであれば、このF値を低くしましょう。
ちなみに、1眼レフカメラであれば、F1.4という非常に明るいレンズがあるので、暗所での撮影は圧倒的に一眼レフカメラは有利になります。
上の写真は、全てF1.8という非常に明るいレンズを使用して写しましたが、2枚の暗く写った写真は、手ぶれを防ぐためと三脚がなかったため1/100というシャッタースピードで撮影しました。

明るい場所で撮影する

私が最近行っている料理を写す場合の最も効果的な手法が、この明るい場所で撮影する。です。
正確に言うと、窓際にテーブルを置いて日差しが当たらない程度の状態で撮影している。という感じでしょうか。
これは非常に効果的です。
料理の撮影というと、シンクの近くや台所のテーブルの上と思ってしまいがちですが、たったこれだけのことでグッと料理がおいしく写ります。
上のカルボナーラも、最初の暗く写った物は台所のテーブルの上で、下の明るく写った物はリビングのテーブルを窓際に寄せてその上に乗せて撮影したものです。
どんな明るいレンズを使ったり、絞りを大きくしたりするよりも効果的な手法なんで、まず料理を写す時は近くに明るい場所がないか確認してください。

もし明るい場所が見つからない。なんていう場合は、その他の手法、絞りを大きく開く(F値を下げる)とかシャッタースピードを遅くするとかといった方法を使うことになります。

おいしく魅せるには

では次にもう少し進めて、おいしく魅せるための注意点やテクニックを書いていきたいと思います。

人工的な明かりを使わない

人工的な明かりだとおいしく見えないプロがスタジオで使うような1個数十万するような照明器具は別ですが、家具としての照明やカメラに付属しているストロボは使わないようにしましょう。
左の画像は、室内が暗かったので2つの蛍光灯と工事現場用の強力な電球(500W)で照らし出したものです。
が、全くおいしそうに見えませんよね。
そう、人工的な、そして安価な照明器具ではいくら明るく照らし出してもおいしく見えません。
なのでなるべく、我々素人カメラマンが料理をうまく撮影するには、太陽の光を利用しましょう。
もちろん直接太陽の明かりを料理に当てるのではなく、窓から入ってきた明るい光を利用する。という感じです。

次は、おいしく魅せるアングルや画像加工ソフトの使い方を紹介します。